【其の八】
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文化人や著名人にも ご寄稿頂いた季刊誌「提灯記事」
「最後のそば」 永 六輔この夏、点滴で生命をつないでいた父が、九十才という年齢もあって、最後は自宅でという形で退院した。ところが自宅に帰ったら「そばが喰べたい」と言い出し、せめて、その香りでもと、僕が更科から運んだら、点滴だけだったのに、そばは喰べる、しかも元気になる。三日続けてそばの出前をした…
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「松本清張」 初代との生涯の交流 中国料理 耕治
小倉には松本清張ゆかりの店などが点在する。昭和風情の残る鳥町食道街の中国料理耕治も其の一つ。初代の平野耕治は清張と親交が深かった。「作家になりたかった父は、芥川賞受賞後の成長先生に、いつも原稿を見ていただいていました。『耕治は俺の弟子だからね』といろいろな方に話されていたそうです。」そう話すの…